フロントガラスの凍結にお湯は注意|解かし方と予防

冬の朝、凍ったフロントガラスにお湯をかけると、温度差でガラスが割れたり、解けた水がすぐに凍り付いたりするおそれがあります。JAFのテストでは解氷剤でおよそ1分、デフロスターだけでは10分ほど。前の晩の予防、ドアの凍結、一酸化炭素の注意点も紹介します。
1. 結論:お湯より解氷剤とへら、前の晩の予防
冬の朝、フロントガラスが真っ白に凍っていると、ついお湯をかけたくなります。けれどもJAF(日本自動車連盟)は、お湯について注意を呼びかけています。温度差でガラスが割れたり、解けた水がすぐにまた凍り付いたりする可能性があるためです1。
2014年2月のJAFのテストでは、解氷剤(氷を解かすスプレー)を使うとおよそ1分で凍結が解けました1。デフロスター(フロントガラスに温風を当てて曇りや霜を取るエアコンの機能)だけでは、前が見えるまで10分ほどかかりました1。出かける前の時間を短くしたいなら、解氷剤とへら(スクレーパー)を組み合わせるのが近道です。
2. お湯をかけるのはなぜ注意なのか
JAFが挙げている理由は2つです1。
どのくらいの温度ならよいか、ぬるま湯なら大丈夫か、といった目安は、JAFの説明には書かれていません。割れるかどうかは、そのときの気温やガラスの状態にもよるはずです。わざわざ確かめるより、お湯を使わない方法を選んだほうが気が楽だと思います。
凍ったままのガラスで走り出すのも禁物です。国土交通省は、雪の時期に車に乗る前の準備として、雪をすべて落とし、ガラスの凍結や霜も取り除くよう案内しています3。前が少し見える小さな穴を開けただけで出発するのはやめましょう。
3. 凍ったときの解かし方(JAFのテスト)
JAFは2014年2月3日の夕方から翌朝まで、長野県上田市の菅平高原で車を一晩止め、凍ったフロントガラスを解かす方法を比べました1。テストの夜は雪で、最低気温は-6.3℃でした1。

| 方法 | JAFのテストの結果 |
|---|---|
| 解氷剤 | ガラス全体に吹きかけると、1分ほどで凍結が完全に解けた |
| デフロスターだけ | 内気循環・設定温度は最高で、前が見えるようになるまで10分ほどかかった |
表の時間は、雪の夜に1回だけ行ったテストの結果です1。気温や車、凍り方が違えば時間も変わるので、目安として受け取ってください。
JAFは、デフロスターだけで解かそうとすると、エンジンをかけたままの時間が長くなり、環境への負担が大きくなると指摘しています1。そのうえで、解氷剤やへらも一緒に使うことをすすめています1。
お湯を使わずに出発するまでの手順
- 雪が積もっているときは、エンジンをかける前に、マフラーのまわりが雪で埋まっていないかを確かめ、埋まっていれば雪をどけます。
- ブラシなどで、ガラスやルーフ、ライトの上の雪を落とします。
- エンジンをかけて、デフロスターを入れます。
- 凍ったフロントガラスに解氷剤をまんべんなく吹きかけます。
- 解けてきた氷や霜を、へら(スクレーパー)で削り落とします。
- フロントガラスのほか、窓やミラー、ライトの雪や氷が取れて、前がよく見えることを確かめてから出発します。
手順の1つ目の理由は、6章で説明します23。雪の多い地域を走るときのタイヤの決まりは、冬用タイヤ規制とチェーン規制の違いにまとめています。
4. 前の晩にできる予防
同じJAFのテストでは、凍結を防ぐ方法も3通りで比べています1。撥水剤は、ガラスの表面で水をはじかせるコーティング剤です。

| 前の晩の対策 | 翌朝のフロントガラス |
|---|---|
| 何もしない | 凍っていて、雪を落としたあとにへらで削っても取り切れなかった |
| 撥水剤を塗る | 凍ってはいたが、へらできれいに削り落とせた |
| カバーをかける | 凍っていなかった |
比べた3通り(対策なし・撥水剤・カバー)の中では、カバーをかける方法が最も効果がありました1。カバーの内側には雪も入り込んでいなかったそうです1。
ワイパーを立てておく
ワイパーを立てておくことは、JAFと国土交通省の両方がすすめています。理由の説明は少し違います。
凍って張り付いたワイパーを、そのまま動かそうとするのは避けたいところです。前の晩に立てておけば、朝に慌てずに済みます。
雪の時期の駐車はサイドブレーキに注意
国土交通省は、雪の時期に駐車するときは、サイドブレーキが凍って戻らなくなるおそれがあるとして、サイドブレーキを引かないよう案内しています3。代わりに、オートマ車はP、マニュアル車はギアを1速かバックに入れて止めます3。JAFは、寒い地域ではなるべく平らな場所を選び、輪留め(タイヤの前後に置く止め具)を車体の対角線上の前後2か所に置くよう案内しています6。マニュアル車は、下り坂ならバックに入れます6。電動パーキングブレーキの車には、エンジンを止めると自動でブレーキがかかる車種もあるため、取扱説明書であらかじめ確かめておくようJAFはすすめています6。
5. ドアが凍って開かないとき
凍るのはガラスだけではありません。JAFは、ドアの内側を水で濡らした車と濡らさなかった車を一晩止めて、ドアを開けるのに必要な力を測りました1。
JAFによると、凍ったドアを無理に開けようとすると、ドアや車体のゴム、ドアノブを壊すおそれがあります1。雨の日に走ったあとなどは、ドアの内側に残った水気を拭き取ってから駐車しておくと、翌朝の凍結を防ぎやすくなります1。JAFは、凍結防止剤を塗っておく方法も挙げています1。
6. エンジンをかけて待つときの注意
雪が積もった朝に、エンジンをかけて車内が暖まるのを待つときは、マフラーのまわりに気をつけてください。国土交通省は、雪でマフラーがふさがれると一酸化炭素中毒の危険があるとして、駐車するときはエンジンを切るよう案内しています3。
JAFは2015年2月16日に北海道旭川市で、マフラーの高さやボンネットの上まで雪で覆った車のエンジンをかけ、車内の一酸化炭素(CO)の濃度を測りました2。ppmは、空気100万のうちどれだけかを表す単位です。400ppmは、JAFが「短時間暴露限度」としている濃度です2。エアコンは外気導入にしていました2。
| 条件 | 車内のCO濃度 |
|---|---|
| 対策なし | 16分後に、短時間暴露限度の400ppmに上昇。その後6分で、測定上限の1,000ppmに達した |
| 窓を5cmほど開ける | 開始5分で100ppm台に上がり、約40分後に400ppm、その後すぐに800ppm台になった |
| マフラー周辺を除雪 | COはほとんど検知されなかった |
窓を少し開けるだけでは防げなかった、という結果は意外でした。マフラーの近くにたまった排ガスは、車の床下から車内に吸い込まれ、エアコンを内気循環にしていても車体のすき間などから入る危険があるそうです2。
エンジンをかけたまま車を離れない
道路に止めた車から離れるときは、エンジンを止め、ブレーキを完全にかけるなどして、車が動かないようにする措置をとるよう、道路交通法が運転者に求めています(第71条第5号)5。自宅の駐車場でも、ガラスが解けるのを待つあいだにエンジンをかけたまま家に戻るのは避けましょう。マフラーのまわりの雪や、目を離したすきの車の動きに気づけなくなります。なお道路交通法は、車を離れるときに、他人に無断で運転されないようにする措置も求めています(第71条第5号の2)5。
冬の朝は時間に追われがちですが、マフラーのまわりの確認と、ガラスの雪や氷を落とす手間は省かないようにしたいところです。冬の前の点検としては、タイヤの溝の点検も合わせて確かめておくと安心です。冬タイヤへの履き替えや車検の時期はGarage mgr(ガレージマネージャー)で期日として管理できます。
よくある質問
よくある質問
Q.凍ったフロントガラスにお湯をかけてもいいですか?
Q.解氷剤とデフロスターでは、どちらが早く解けますか?
Q.前の晩にできる凍結の予防はありますか?
Q.雪の日の駐車でサイドブレーキを引かないのはなぜですか?
Q.ドアが凍って開かないときは、力を入れて引けば開きますか?
Q.雪が積もった朝、エンジンをかけて暖まるのを待っても大丈夫ですか?
冬の準備と車検の時期、カレンダーで忘れずに
タイヤの履き替えや点検、車検の満了日などは「期日」として登録できます。Garage mgr(ガレージマネージャー)なら、期日をカレンダーに追加して、カレンダーアプリの通知で見落としを防げます。無料・アカウント登録不要で、登録したデータはお使いの端末内に保存されます。
出典・参考情報
- [1]JAF「寒冷地での駐車時は窓やドアの凍結に注意!(JAFユーザーテスト)」(2014年2月のテストの条件・凍結の予防・解氷剤とデフロスターの時間・お湯の注意・ワイパー・ドアの凍結)
- [2]JAF「クルマが雪で埋まった場合、CO中毒に注意(JAFユーザーテスト)」(マフラー周辺が雪で埋まった車の一酸化炭素濃度・窓を開けた場合・排ガスの入り方)
- [3]国土交通省 北陸雪害対策技術センター「雪みちの備え(おしえて!雪ナビ)」(乗る前にガラスの凍結・霜も取り除く・サイドブレーキ・ワイパーを立てる・駐車時はエンジンを切る)
- [4]国土交通省 北陸雪害対策技術センター「雪で立ち往生したら(おしえて!雪ナビ)」(マフラー付近の除雪と換気)
- [5]e-Gov 法令検索「道路交通法」(第71条第5号・第5号の2 車両等を離れるときの措置)
- [6]JAF クルマ何でも質問箱「寒冷地で駐車する際の注意点」(平らな場所・輪留め・下り坂のギア・電動パーキングブレーキ)
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