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冬用タイヤ規制とチェーン規制の違い|スタッドレスで通れる?

雪道で乗用車のタイヤにタイヤチェーンを取り付ける男性の写真に、冬用タイヤ規制とチェーン規制の違いの見出しを重ねた画像
冬用タイヤ規制とチェーン規制では、求められる装備が違う
メンテナンス#チェーン規制#冬用タイヤ規制#スタッドレスタイヤ#雪道#反則金
公開:2026-10-14読了目安:約 9 分

チェーン規制は、スタッドレスタイヤを履いていてもタイヤチェーンを付けていないと通れない規制です。冬用タイヤ規制との違い、道路法に基づく規制に違反した場合の罰則(6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)、積雪・凍結路で滑り止めをしないときの反則金(普通車6,000円)、県で違うバイクの扱いを解説します。

1. 冬用タイヤ規制とチェーン規制、何が違う?

先に結論を書くと、「冬用タイヤ規制」は冬用タイヤかタイヤチェーンのどちらかがあれば通れる規制で1、「チェーン規制」はスタッドレスタイヤを履いていてもタイヤチェーンを付けていなければ通れない規制です2。名前が似ているので混同しやすいのですが、求められる装備がまったく違います。

規制通れる車スタッドレスだけで通れる?
冬用タイヤ規制冬用タイヤ(スタッドレスタイヤなど)か、タイヤチェーンなどの滑り止め装置を付けた車1通れる(全車輪に付けている場合。必要な装置は都道府県で異なる)1
チェーン規制タイヤチェーンを付けた車だけ2通れない。4WD車も同じ2

チェーン規制が行われるのは、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような、異例の降雪があるときです2。めったに出ない規制ですが、出たらスタッドレスタイヤだけでは通れない、と覚えておくと混乱しません。

2. 冬用タイヤ規制で通れるタイヤの条件

タイヤの側面の表示を確認する

NEXCO西日本の案内では、冬用タイヤ規制の区間を走るときは、側面にスタッドレス表記(国内表記)があるタイヤか、スノーフレークマーク(国際表記)があるタイヤを、全車輪に付けるよう求めています1。ただし、装着が必要な装置は都道府県によって異なるとも書かれています1。走る地域の案内もあわせて確認しておくと安心です。

気をつけたいのがオールシーズンタイヤです。国土交通省関東地方整備局などは、ノーマルタイヤだけでなく、スノーフレークマークのないオールシーズンタイヤも、車両の滞留や通行止めを引き起こす可能性があると注意を呼びかけています12。「オールシーズン」という名前だけで判断せず、側面のマークを見てください。

冬用タイヤの側面にあるスタッドレス表記とスノーフレークマーク
冬用タイヤ規制の区間では、スタッドレス表記かスノーフレークマークのあるタイヤを全車輪に付けるのが目安

溝の深さにも目安がある

スタッドレスタイヤは、溝が残っていれば冬用タイヤとして使えるわけではありません。JATMAは、溝の深さが新品時の50%未満になったタイヤは冬用タイヤとして使わないよう呼びかけていて、溝の中にある「プラットホーム」という目印が露出しているかどうかで判断できるとしています11。

ちなみに、50%という数字は業界団体の目安です。都道府県の規則では書き方が一律ではなく、宮城県や福井県のように「50パーセント以上摩耗していないもの」と定める県もあれば、奈良県のように「突出部が摩耗していないもの」、島根県のように「効果限界線以上に磨滅していないもの」と定める県もあります11。タイヤの法定の溝の基準については「タイヤ交換時期の見極め方」で解説しています。

3. チェーン規制とは?スタッドレスでも通れない理由

2018年に始まった規制

チェーン規制は、2018年11月1日に国土交通省の冬期道路交通確保対策検討委員会が「大雪時にはチェーン規制を実施すべき」と示したことを受けて導入されました14。同じ年の12月14日には、規制を示す「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」の標識(番号310の3)が新設されています4。

実施されるのは、急な上り下りがある峠など、過去に雪で立ち往生や通行止めが起きた区間のうち、チェーンを着けたり外したりできる場所や、待機できる場所がある区間です。規制区間の手前では、チェーンを付けているかが確認されます2。具体的な区間は道路管理者が発表するので、冬に峠道を通る予定があれば事前に調べておくのが確実です。

「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」の規制標識
チェーン規制の区間には、2018年に新設されたこの標識(310の3)が設置される

スタッドレスタイヤ・4WD車でもチェーンが必要

国土交通省のQ&Aでは、スタッドレスタイヤを付けた車でも大雪のときには立ち往生することがあるため、チェーン規制中はタイヤチェーンをしていない車は通れないと説明しています2。4WD車も対象です。同じQ&Aは、大雪のときの峠などでは4WD車は重量が大きく、下り坂で急ブレーキをかけたときに止まるまでの距離が長くなることを理由に挙げています2。

調べてみて意外だったのが、この4WDの扱いです。雪道に強いイメージがありますが、国土交通省が挙げている理由は登る力ではなく「止まるまでの距離」でした。なるほどと感じた点です。

使えるチェーンと付ける位置

使えるのは、自動車用品店などで売られているタイヤチェーン(金属チェーン、ウレタン・ゴムチェーン、布製のカバータイプ)です。薬剤を吹き付けるスプレー式では、チェーン規制中は通れません3。チェーンは駆動輪に付けるのが基本で、国土交通省のQ&Aの図では、前輪駆動車は前輪、後輪駆動車は後輪、4WD車は前輪または後輪とされています2。また、4章で紹介する積雪・凍結路の滑り止めについての都道府県の規則にも、付ける位置を定めているものがあり、たとえば長野県は「両側の後輪(前輪駆動のものは前輪)」としています11。自分の車の駆動方式と、取扱説明書の指定も確認しておきましょう。

チェーン規制の区間を通るときの流れ

  1. 出発前に、最新の気象情報と道路情報で規制や通行止めが出ていないか確認する
  2. スプレー式ではなく、タイヤチェーンを車に積んでおく
  3. 規制区間の手前の着脱できる場所で、駆動輪にチェーンを付ける
  4. 区間手前での装着確認を受けてから通行する

もうひとつ覚えておきたいのが「予防的通行止め」です。大雪のおそれがあるときには、予防的に通行止めが行われることがあります12。通行止めになれば、チェーンを付けていても通れません。チェーンさえあれば必ず通れる、というわけではない点に注意してください。

違反したときの罰則

道路管理者が道路法第46条第1項に基づいて行うチェーン規制の場合5、その規制に違反して通行すると、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります(道路法第103条第3号)7。拘禁刑も罰金も、刑法で定められた刑罰(刑事罰)です15。

ここで混同しやすいのが、いわゆる青切符の「反則金」です。反則金は道路交通法の「反則行為」だけに使われる制度で、道路法の違反はこれに当たりません8。つまり、道路法に基づくチェーン規制の違反には、反則金を納めれば手続きが終わるという仕組みがなく、刑事手続の対象になります。「スピード違反の青切符と同じようなもの」と考えないようにしてください。

一方で、同じ標識は、公安委員会が道路交通法に基づいて行う通行禁止にも使われます68。その場合は根拠となる法律と罰則が変わるため、ここでは道路法に基づく規制の罰則だけを紹介しています。

4. 規制が出ていなくても:積雪・凍結路の滑り止め義務

都道府県の規則で決まっている

雪道で滑り止めの措置をとる義務は、道路交通法第71条第6号に基づいて、都道府県の公安委員会が規則で定めています8。たとえば新潟県では、積雪や凍結で滑るおそれのある道路で滑り止めの措置をとることが、新潟県道路交通法施行細則で定められています10。JATMAの取りまとめによると、こうした規定は沖縄県を除く46都道府県にあります(2026年8月現在)11。

大事なのは、この義務は道路の状態(積雪や凍結など)で決まり、冬用タイヤ規制やチェーン規制が出ているかどうかとは別だという点です。条件の書き方は県によって違います。JATMAの取りまとめによると、東京都の規則では「積雪又は凍結により明らかにすべると認められる状態にある道路」とされ、神奈川県の規則のように対象を「積雪の場所」に限っている県もあります11。また京都府の規則は、凍結している道路ではスノータイヤを滑り止めの措置から除いています11。冬用タイヤを履いていれば、どの県のどんな路面でも義務を果たせる、とは言い切れないわけです。

罰則と反則金

この義務に違反すると、5万円以下の罰金の対象になります(道路交通法第120条第1項第10号)8。この違反は道路交通法の「反則行為」にも含まれていて8、反則金(いわゆる青切符)の額は次のとおりです9。

区分含まれる車反則金
大型車大型・中型・準中型自動車、大型特殊自動車など7,000円
普通車普通自動車6,000円
二輪車大型自動二輪車・普通自動二輪車6,000円
原付等小型特殊自動車、原動機付自転車など5,000円

この違反(公安委員会遵守事項違反)には違反点数が付きません913。そのため免許の累積点数には影響しませんが、軽い違反というわけではありません。通告を受けて期限内に反則金を納めれば、その違反について起訴されることはありません。逆に、期限内に納めなかった場合は、起訴されて5万円以下の罰金が科されることがあります8。また、無免許や酒気帯びなどで運転していた場合や、その違反で交通事故を起こした場合などは、そもそも反則金の制度の対象外です8。

5. バイク・原付は?都道府県で対象が違う

バイクに乗る人が一番迷うのがここだと思います。積雪・凍結路の滑り止め義務の対象になる車は、都道府県によって違います11。

  • 二輪を対象から外している県: 茨城県・岐阜県・長野県など(「自動車(二輪のものを除く。)」)
  • 三輪以上の自動車に限っている県: 宮城県・神奈川県
  • 原動機付自転車も対象に含めている道県: 北海道・東京都・福井県など

つまり、同じバイクでも、走る県によって義務の有無が変わります。「バイクは必ず対象」とも「バイクは対象外」とも一律には言えません。高速道路の冬用タイヤ規制やチェーン規制で二輪車がどう扱われるかは、今回調べた国土交通省やNEXCOの資料には記載がなく、確認できませんでした。冬にバイクで出かけるときは、走る地域の県警や道路管理者の案内を確認してください。バイクの消耗品の点検は「バイクの消耗品交換時期ガイド」もあわせてどうぞ。

6. 冬が来る前にやっておきたい準備

雪が降ってから慌てないように、履き替えの前にスタッドレスタイヤの溝とプラットホームを確認しておきましょう11。去年のタイヤをそのまま使うつもりでも、溝が減っていれば冬用タイヤとしては心もとない状態かもしれません。

スタッドレスタイヤの溝の中にあるプラットホーム(摩耗の目印)
プラットホームが露出していたら、冬用タイヤとしての使用は控える目安

チェーンを持っている人は、乾いた場所で一度付け外しを練習しておくと、いざというときに慌てずに済みます。寒い時期はバッテリーも弱りやすいので、「バッテリー上がりの予兆と寿命の見極め方」も参考になると思います。

履き替えの時期は毎年やってくるのに、意外と忘れがちです。Garage mgr(ガレージマネージャー)では、タイヤの履き替え予定日を任意の期日として登録し、カレンダーに追加しておけます。通知はカレンダーアプリから届くので、「気づいたら初雪だった」を防ぎやすくなります。

よくある質問

よくある質問

Q.スタッドレスタイヤを履いていればチェーン規制の区間も通れる?

A.
通れません。国土交通省は、スタッドレスタイヤを付けていても、タイヤチェーンをしていない車はチェーン規制中に通れないと説明しています。4WD車も同じです。

Q.オールシーズンタイヤで冬用タイヤ規制の区間は通れる?

A.
NEXCO西日本の案内では、スノーフレークマークのあるタイヤを全車輪に付けるよう求めています。マークのないオールシーズンタイヤは、立ち往生や通行止めの原因になりうると国土交通省関東地方整備局なども注意を呼びかけています。必要な装置は都道府県によって異なるため、走る地域の案内も確認してください。

Q.チェーン規制を守らずに通るとどうなる?

A.
道路管理者が道路法に基づいて行うチェーン規制に違反した場合は、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります。どちらも刑法で定められた刑罰です。道路法の違反には反則金(青切符)の制度は使われないため、反則金を納めて終わりにすることはできません。

Q.雪道をノーマルタイヤで走ると反則金はいくら?

A.
積雪・凍結路での滑り止め義務の違反(公安委員会遵守事項違反)の反則金は、普通車6,000円、大型車7,000円、二輪車6,000円、原付等5,000円です。違反点数は付きませんが、期限内に反則金を納めなかった場合は、起訴されて5万円以下の罰金が科されることがあります。対象となる道路の状態や車は都道府県の規則で異なり、沖縄県には規定がなく、二輪を対象外とする県もあります。

Q.バイクにも雪道の滑り止め義務はある?

A.
都道府県によって違います。二輪を対象から外している県もあれば、北海道や東京都のように原動機付自転車まで含めている都道県もあります。走る地域の規則や県警の案内を確認してください。

Q.スプレー式のチェーンでチェーン規制の区間を通れる?

A.
通れません。国土交通省は、薬剤を吹き付けるスプレー式ではチェーン規制中に通れないとしています。金属・ウレタンやゴム・布製カバーなど、自動車用品店で売られているタイヤチェーンを用意してください。

タイヤの履き替え時期、カレンダーで忘れずに

冬用タイヤへの履き替えや点検の予定日は、車検や自賠責の満了日と同じように「期日」として管理できます。Garage mgr(ガレージマネージャー)なら、期日をカレンダーに追加して、カレンダーアプリの通知で見落としを防げます。無料・アカウント登録不要で、登録したデータはお使いの端末内に保存されます。

出典・参考情報

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