バイクのユーザー車検を自分で通す手順|予約から再検査まで

バイクのユーザー車検は、251cc超の小型二輪が対象で、運輸支局(または自動車検査登録事務所)で受けます。予約は当日を含め14開庁日先まで可能です。不合格でも限定自動車検査証があれば発行日を含め15日以内は不合格箇所だけの再検査で済みます。予約・当日の流れ・光軸や排ガスで不合格になりやすい点まで解説します。
1. ユーザー車検の対象は251cc超、まず全体像のおさらい
ユーザー車検とは、バイク屋や整備工場に代行を頼まず、所有者自身が運輸支局(または自動車検査登録事務所)に車両を持ち込んで車検を受ける方法です。代行手数料や点検整備料がかからないため、法定費用だけで済ませられるのが最大のメリットです。
対象になるのは、車検そのものが必要な251cc超の小型二輪自動車だけです。250cc以下のバイクには車検自体がないため、ユーザー車検という選択肢も存在しません。排気量区分ごとの車検の要否、法定費用の内訳(検査手数料・自動車重量税)、有効期間(新車は3年、以降2年)といった基本は、バイクの車検は250cc超から|費用の内訳と有効期間で詳しく解説しているので、まずそちらを確認しておくとこの記事が読みやすくなります。
窓口は運輸支局(または自動車検査登録事務所)で、バイクの名義変更・廃車はどこでする?でも扱ったとおり、軽自動車検査協会ではありません。
2. 予約は当日から14開庁日先まで
継続検査(車検)を受けるには、事前予約が必須です。自動車技術総合機構(NALTEC)の「自動車検査インターネット予約システム」を使うのが一般的で、予約できる日時は予約する当日を含めて14開庁日先までです[1]。土日・祝日・年末年始(12月29日〜1月3日)は開庁していないため予約できません。
予約の流れは次の通りです[1]。
- 利用登録(メールアドレスが必要)
- ログインして、検査を受けたい運輸支局(または自動車検査登録事務所)と日時を選んで予約
- 確認メールを受け取り、当日まで保管しておく
予約システムはパソコン・スマートフォンから利用できますが、フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)には対応していません[1]。
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自動車検査インターネット予約システムの予約可能日数(当日から14開庁日先まで)を示すカレンダー図解
3. 当日の持ち物と検査の流れ
当日は、次の書類・持ち物をそろえて運輸支局へ向かいます。
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証明書(継続する分。車検の有効期間をカバーする契約期間で更新しておく)
- 点検整備記録簿(点検を車検後に行う「後整備」を選ぶ場合は無くても受検できます。バイクの車検は250cc超からの§5で解説)
- 手数料納付分の現金
2021年1月からの押印廃止により、継続検査申請書に認印や自署は不要になりました[5]。念のため訂正印として持って行く人もいますが、必須の持ち物ではありません。
なお、250cc超のバイクは2025年4月から軽自動車税(種別割)の納税証明書の提示が原則不要になっています。詳しくはバイクの軽自動車税は排気量でいくら変わる?の§5で解説しています。
「後整備」を選んだ場合でも、点検整備そのものが免除されるわけではありません。道路運送車両法は使用者に定期点検整備を行う義務を課しており(第48条)、点検の結果を記録簿に記載して保存する義務も別途定めています(第49条)[7]。後整備は「車検の受検時点では記録簿が無くてもよい」という話であり、車検が終わったあとに法定点検を実施し、記録簿を作成・保存する義務そのものは残ります。実施状況は車検証の備考欄に記載される仕組みです(バイクの車検は250cc超からの§5でも解説)。
当日の流れは、四輪のユーザー車検とほぼ同じです。
- 窓口で継続検査の申請書一式を入手し、必要事項を記入する
- 検査手数料・自動車重量税を窓口で納付する
- 検査コース(レーン)に車両を入れ、外観・灯火装置・ブレーキ・スピードメーター・排出ガス・ヘッドライトの光軸などの審査を受ける
- 総合判定で全項目に適合すれば、窓口で新しい検査標章(車検ステッカー)と車検証を受け取って終了
手順自体の詳細は、四輪向けにまとめたユーザー車検の流れ完全ガイド|費用相場と当日7ステップも参考になります。二輪と四輪で検査コースが共用か専用レーンかは施設によって異なるため、初めての運輸支局で受ける場合は当日の係員の案内に従ってください。
4. 不合格になりやすいのは光軸と排ガス
ユーザー車検で特に不合格になりやすいと言われるのが、ヘッドライトの光軸と排出ガスです。
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ヘッドライトの光軸検査の様子と排出ガス検査のテスターを示すイメージ
光軸は、すれ違い用前照灯(ロービーム)について、照射位置や光度に細かい基準が定められています[2]。経年で徐々にズレたり、荷物の積み方や乗車姿勢の違いで基準から外れたりすることがあり、自分では気づきにくい項目です。
排出ガス(CO・HCの濃度)の基準値は、車両の初度登録時期や排気量区分によって数値が異なります[3]。古いバイクほどキャブレターの調整不足やカーボンの蓄積で数値が上がりやすい傾向があります。
5. 不合格でも慌てない:限定自動車検査証で15日以内に再検査
検査で不適合の項目があっても、その場で車検が終わってしまうわけではありません。
同じ日のうちであれば、不適合だった項目を調整・整備したうえで、再度検査コースに入って再検査を受けられます。1回の検査申請につき、この当日の再入場は2回まで(初回の検査を含めて最大3回)で、再入場自体に追加の検査手数料はかかりません[4]。
その日のうちに直せない場合は、「限定自動車検査証」の交付を受けます。この検査証があれば、発行日を含めて15日以内は不合格だった項目だけを確認する再検査で済みます[4]。15日を超えてしまうと、あらためて最初から検査を受け直す必要があります。
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限定自動車検査証と15日以内の再検査期限を示すカレンダー図解
ここで注意が必要なのが、限定自動車検査証は「公道を走ってよい」という許可証ではないという点です。検査を受けに行った時点では車検の有効期間内でも、再検査までの間に満了日を過ぎてしまうケースがあります。その場合、限定自動車検査証を持っているからといって自走で運輸支局まで戻ることはできません。
車検の有効期間が切れた状態で公道を走ると、道路運送車両法第58条違反の無車検運行にあたります。罰則は6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(第108条第1号)、違反点数は6点で、前歴がなければその時点で免許停止30日です(数値の根拠はバイクの車検は250cc超からの§3で解説)。自賠責保険も同時に切れていれば、無保険運行(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)まで重なります。
6. 自分でやるか、業者に頼むか
ユーザー車検の最大のメリットは、法定費用(検査手数料・自動車重量税・自賠責保険料)だけで済み、点検整備料や代行手数料がかからないことです。一方で、平日に運輸支局へ行く時間の確保や、不合格時に自分で調整・再訪問する手間は発生します。
「時間はあるが費用を抑えたい」ならユーザー車検、「平日に時間が取れない」「整備の状態に不安がある」なら業者への依頼が向いています。業者ごとの特徴の比較は、四輪向けの記事になりますが車検はどこで受ける?4業者を費用と特徴で比較の考え方がバイクにも参考になります。
Garage mgr(ガレージマネージャー)に車検満了日を登録しておけば、次の車検の時期を.icsでカレンダーに入れておけます。ユーザー車検にするか業者に頼むかを考える時間の余裕にもつながります。無料で、データは端末内にのみ保存される仕組みです。
よくある質問
よくある質問
Q.バイクのユーザー車検はどこで受けられますか?
Q.予約はいつから取れますか?
Q.検査で不合格になったらどうなりますか?
Q.何が原因で不合格になりやすいですか?
Q.バイクもOBD検査を受けますか?
Q.軽自動車税の納税証明書は持って行く必要がありますか?
Q.限定自動車検査証があれば、15日間は車検切れの状態で公道を走れますか?
Q.「後整備」を選べば、点検整備自体をしなくてよいのですか?
Q.継続検査の申請書に印鑑は必要ですか?
ユーザー車検の予約前に、次の車検満了日を確認しておく
予約を取るにも、まずは車検満了日から逆算した準備期間が必要です。Garage mgr(ガレージマネージャー)に登録しておけば、次の車検満了日を.icsでお使いのカレンダーに入れておけます。無料・アカウント登録不要で、データはお使いの端末内にのみ保存されます。
出典・参考情報
- [1]独立行政法人自動車技術総合機構(NALTEC)「初めての検査を受けられる方(予約について)」(予約可能期間は当日を含め14開庁日先まで、予約方法)
- [2]国土交通省 保安基準の細目を定める告示 第198条ほか(すれ違い用前照灯の光軸・光度基準)
- [3]国土交通省「ガソリン直噴車及び二輪車等の排出ガス規制を強化します」(二輪車の排出ガス規制、初度登録時期・区分により基準値が異なる)
- [4]独立行政法人自動車技術総合機構(NALTEC)「再入場(不適合の場合)」(当日の再入場は2回まで、限定自動車検査証は発行日を含め15日以内有効)
- [5]鳥取県自動車整備振興会「継続検査申請書(OCRシート)への『印』・『自署』不要のお知らせ〜鳥取運輸支局及び軽自動車検査協会鳥取事務所より〜」(2021年1月からの押印廃止)
- [6]近畿運輸局「臨時運行許可」(車検切れ車両の回送目的での交付、試乗等の目的では不可、運行期間は必要最少日数・上限5日)
- [7]国土交通省「点検整備の種類」(定期点検整備の義務(第48条)、点検整備記録簿の記載・保存義務(第49条))
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